WDIの活動記録2017~2023

【2017年5月12日6時30分頃オスの子鹿を保護】 

産まれて間もないオスの子鹿を保護しました。子鹿は開発の犠牲者であり、母親と再会できなかったため保護しました。

我が家は野生復帰プログラムを適切に行える条件下ではないため、子鹿は野生で生きていくサバイバル術を身につけることや仲間を作ることが出来ませんでした。保護した子鹿は野生では生存できず、保護した子鹿を「克(すぐる)くん」と名付けWDIで保護しています。

【2018年6月26日18時30分頃メス鹿をレスキキュー】

違法のくくり罠にかかった若いメス鹿(時推定1歳)をレスキューしました。

発見当時、罠にかかったメス鹿の脚はわずかな皮一枚で繋がっている状態でした。

深く大きな傷を負った脚の再生治療を試みましたが、骨にも損傷があり、回復不可能なことが判明しました。

メス鹿は断脚手術を受けることになり、野生での生活は困難で苦痛が多いことからWDIで保護しています。

脚の回復に希望を持ち、「メス鹿の望が叶うように」とメス鹿を「のぞみちゃん」と名付けましたが、のぞみちゃんは大事な脚を失うことになり、とても悲しいです。

【2018年 鹿の飼育許可を求め行政と交渉】 

2017年に保護したすぐるくんの飼養許可を行政に求め交渉していましたが、前例がないということから最初は許可を得ることができませんでした。2018年にレスキューしたのぞみちゃんの飼養許可を得るためにも、行政との交渉を続け2018年の年末にやっと飼養許可票を得ることができました。

飼養の条件として、違法罠の告発、行政の野生動物保護ボランティアに登録すること、終生飼育、施設の適切な設備(余裕のある敷地面積や鹿が敷地外に出ないようになど)、避妊・去勢手術、行政による施設の視察等を実施の約束をし、法的に問題なく飼養許可を得ることができました。

【議員や行政、企業に要望書などを提出】

鹿たちを通じて社会における自然環境保護や野生動物保護のあり方、ジビエの癒着構造の現状を知り、行政や企業に自然環境保護と野生動物との平和共存を求める意見と要望書を提出しています。

行政や企業に対し自然環境保護・野生動物保護と平和共存への舵取りの要望を今後も継続していきたいと考えています。

【シカやイノシシから農作物を守る防除柵の設置作業】

わたしたちが住んでいる市では、防除柵の補助金が1m数百円と低額なため、効果ある適切な柵の設置ができず困っている農家の方たちがいます。

効果のある柵の設置をしたい方たちの田畑にWDIはシカやイノシシから農作物を守る防除柵の設置を行っています。

WDIの活動をきっかけに住民の方たちが少しでも野生動物との共存を考えてくださるとうれしいです。

麻酔から覚めたが朦朧とするすぐるちゃん
麻酔から覚めたが朦朧とするすぐるちゃん

【2018年11月19日 すぐるちゃんのQOL向上のため、去勢手術を行う】

去勢手術はかかりつけの動物病院で行いました。すぐるちゃんは手術当日、自ら車内に乗りこみ病院到着まで非常に落ち着いていました。車内で鎮静剤を投与し手術台に移動しました。手術直前、すぐるちゃんの呼吸が停止していることに獣医師と看護師が気づきました。獣医師と看護師が迅速かつ適切な対応を行いすぐるちゃんの呼吸は再開し、無事に手術を終えました。すぐるちゃん、とてもがんばってくれました。

麻酔をし手術の準備をしている時の様子
麻酔をし手術の準備をしている時の様子

【2019年11月5日 のぞみちゃんのQOL向上のため避妊手術を行う】

メス鹿の避妊手術については、かかりつけ獣医師に技術的に不可能だと断られていました。しかし、友人とともに全国の動物病院を調べ連絡をして、遠方の大学病院が希望する避妊手術(卵巣・子宮摘出)を受けてくれることになりました。大学病院の外科と麻酔科の獣医師が泊りがけでこちらに来きて、かかりつけ獣医師の病院で手術を行いました。大学病院の獣医師らは鹿の卵巣・子宮摘出手術を行うのは初めてだったそうですが、獣医師らの技術が素晴らしく、かかりつけ獣医師と看護師のサポートもあり、手術は無事に成功しました。傷口は非常にきれいな状態で、回復が早かったです。のぞみちゃん、今回の手術もよくがんばってくれました。

【2020年12月30日車に轢かれた幼鹿(♀)を保護】

交通事故にあった幼鹿を保護し、かかりつけの動物病院へ連れて行きレントゲンを撮ってもらいました。内臓には損傷ないようにみられたのですが、脚は骨折していることがわかり、重症であることが判明しました。しかし、安楽死すべきなのかは、高度医療を受けてから判断しよう(精密に検査してもらわなければ判断ができない)と思い、その間自宅で看病などしていました。重症だったため、高度医療病院の診察期間まで心配でしたが、排尿・排便もでき食欲もあることから安心していました。しかし、2021年2月4日の獣医師の往診後、容態が急変し、苦痛を回避できないことから安楽死を選択。1月5日の午前1時に、せーこちゃんは息を引き取りました。獣医師が夜中も対応してくれたことで、せーこちゃんは長く苦しむことなく息を引き取りましたが、回復してきていただけに悔しさと悲しさ、申し訳なさなど数々の感情があります。とてもつらいです。

【2021年9月9日 市議会議員へ「野生動物に関する要望書」を提出】


WDIとして初めて議員の方に要望書を提出しました。

市議会議員の方は、わたしの話を丁寧に聞き、現状を語ってくれました。

現状は農業団体などによる野生動物の「捕獲」要望ばかりで、野生動物を保護してほしいと言う市民はいないということです。

このような現状で野生動物の保護を訴えていくのは大変厳しいということでした。

しかし、少しずつでも野生動物と自然環境保護について情報発信を行い野生動物との平和共存を目指したいです。

【2021年10月4日県議会議員へ「野生動物に関する要望書」の提出】

県議会議員の方へ「野生動物に関する要望書」を提出してきました。

県議会議員の方は普段、野生動物と出会う機会が少なく野生動物を保護するという話に「ピンッ」とこないということでした。

このことから、街に住む人たちにも野生動物を身近に感じてもらえるような活動が必要だと思いました。

県議会議員の方から今後の活動内容についてのアドバイスや心持などを聞き、それを一つずつ実現できるよう前向きに進んでいきたいと思いました。

【2021年11月16日交通事故に遭った幼鹿(♂)を保護】

歩道で身動きできずにいた若いオス鹿を保護。鹿さんは目立った外傷はなく治療可能だと希望を持ったのですが、体内がひどく損傷していたようです……。保護した鹿さんは、細く短い角を持つ産まれて2年目の鹿さんでした。産まれて初めて生えてきた角を磨きオシャレをし、オス鹿としての秋をすごしていました。高度医療を提供する動物病院に診察・治療の予約を済ませ、その日を待っていましたが、容態が急変し安楽死の選択をせざるを得ませんでした。若いオス鹿さんをわたしたちは「のぼるくん」と呼んでいました。回復に希望を持ち再び山へ駆け登っていくことを想像して「のぼるくん」と名付けました。のぼるくんのことを思い出すと今でもつらく、詳細を書くことはできません。のぼるくんの死を目にし、わたしたちは交通事故に遭った鹿を助けることへ絶望を感じ、「あと何回、同じ経験をすればいいのだろうか」と……涙しました。鹿たちが大事にされる社会を切に願います。

【2022年1月9日野生動物と自然環境と私たちの暮らしのお話会】

オーガニックマーケットを主催する方たちが企画をしてくださり、野生動物と自然環境などについてのお話会をすることができました。

お話会を通して自然環境やそこに棲む動物たちへの理解を深めていただけるとうれしいです。

【2022年4月24日 WDI初のブース出店】

兵庫県で開催されたヴィーガンフェスでWDIは初のブース出店を行いました。

WDIのブースに関心を持ってくださった方たちと自然環境や野生動物のお話ができ、とても楽しかったです。

機会があればまた、ブースを出店したいと考えています。

2022年5月24日 市へ「野生動物との共存に向けた施策の要望」】


市議会議員の方がWDIの要望を市に届ける場を設けてくださいました。話を聞いてくれたのは環境対策課と農林課でした。

現時点でロードキル調査や野生動物横断道路の設置の実現は難しいということですが、今後も要望を続けたいと考えています。

2022年8月3日 県へ「野生動物との共存に向けた施策の要望」】

県議会議員の方が県とお話する機会を設けてくださいましたが、県にわたしが要望する内容(野生動物保護)を担当する課がなく、野生鳥獣関係を担当する農業水産振興課の方たちが話を聞いてくれることになりました。

現場の声を多く聞きながら活動を行いたいので、今後も県庁へ何度か足を運び、野生動物との平和共存に向けた話し合いを行いたいと考えています。

【2022年8月15日 市へ陳情と署名を提出】

市は野生動物の屠殺場を建設し「ジビエで地域おこし」を計画していることから、地域おこしは持続可能なエコツーリズムの検討を要望する陳情と署名を提出しました。

署名は多くは集まりませんでしたが、「市がジビエを推進するのはおかしい」と言う声もあり、市の事業に少数ですが「おかしい」と思う人たちがいました。

ジビエは持続不可能であるにもかかわらず、全国でジビエの屠殺場が相次ぎ建設されています。

野生動物の「駆除」ありきの考えが現状を支えているため、その考えに異を唱えることは大事なことだと考えています。

【2022年9月16日 県との対談】

2022年8月3日に県の鳥獣対策課とお話をしました。その際に質問書を提出しており、その回答を聞きに県庁へ行きました。県との話で収穫は少なく、こちらの要望は構造上「聞くことができない」ということでしたが、今後も県と話をし、要望書の提出も引き続き行っていきます。


【2022年9月16日 奈良の鹿愛護会 鹿苑に要望書を提出】

小鹿公開イベントのため、奈良公園で生活する母鹿は鹿苑に収容されます。母鹿は鹿苑で出産し、鹿苑でしばらく子育てをします。その後、母鹿と子鹿は奈良公園内へ放たれますが、このことにより離ればなれになる親子が続出しています。鹿苑で産まれ育った子鹿は外界を全く知らず、外界に恐怖や戸惑いなどを感じ鹿苑に戻ろうとしていました。しかし、職員が子鹿を無理に鹿苑の外へ連れ出していたそうです。人間の都合で野生動物に介入するなら人間は責任を持ち、鹿苑で産まれた子鹿が外界に適応するまで子鹿を全力でサポートしなければなりません。今後、人為的活動により奈良公園の鹿たちが苦しんだり、死んだりしないよう小鹿公開イベント後の適切な対応を鹿苑に要望しました。

●2022年7月16日 母鹿と子鹿を鹿苑から奈良公園内へ放った時の詳細はWDIブログからどうぞ。↓

https://ameblo.jp/a-voice67/entry-12753758100.html

【2022年9月29日 市と対談 要望書提出】

市の鳥獣対策課担当者に「被害状況調査要領」と「鳥獣年間捕獲頭数算出」についての質問をし、自然環境とそこに棲む動物たちへの理解が深まる内容を市民に啓蒙する要望を行ってきました。大型野生動物と生息地を共有する地域に住む人びとに「自然環境とは」を学んでいただきたいと思っており、わたし自身も市民の方々に理解を得られる活動を今後行っていくことを考えています。「駆除」前提の考えではなく、地球で生きるには「平和共存」に向けた意識が行政にも市民にも必要です。平和共存を実践しなければ持続可能な自然環境は維持できません。


【2022年10月1日 岐阜県野生動物管理推進センター設立シンポジウムに参加】

岐阜県・岐阜大学応用生物科学部が主催する岐阜県野生動物管理推進センター設立シンポジウムに行ってきました。「管理推進センター」というだけあり、野生動物のコントロールに重点を置いたセンターであり、野生動物との平和共存は考えられておらず、大変残念に思います。シンポジウムの話を聞き、わたしたちは野生動物に対する今ある認識から変えなくてはいけないと強く思いました。野生動物や自然環境をコントロールする発想ではなく、野生動物の存在を受け入れるという初歩的なところから学んでいく必要があると感じます。

【2022年10月12日 参議院 串田誠一議員へ要望書提出】

日本維新の会の串田誠一参議院議員へ野生動物との平和共存に向けた施策の検討の要望を行い、「山間部における地域活性化」についての陳情をしてきました。

山間部では、ジビエで村おこし活動が盛んになっています。ジビエという持続不可能で個々の動物たちに苦痛を与え動物の命を奪う村おこしではなく、持続可能で平和な地域活性化の検討をぜひ行ってほしいと思います。

2022年10月17日 著述家で翻訳家の井上太一さんとZoom対談】

動物に関する数々の図書を翻訳されている井上太一さんとは、今回で2回目のオンラインでの対談です。

井上さんは動物倫理の研究をされており、海外の動物倫理の動向にも当然非常に詳しく、井上さんのお話を伺うことでわたしは動物倫理という学問の学びを深めることができています。

日本の動物倫理の発展には、井上さんの存在がとても必要だと思っています。

【2022年11月14日 ヴィーガンフェスでブース出展】

WDI2回目のブース出店もあいにくの雨でしたが、野生動物に関心がある方が数名話かけてくれました。

少しでも野生動物に関心を持ってくれる方が増えるとうれしいです。

2023年3月19日 シカやイノシシから農作物を守るための勉強会】

わたしが住んでいる地域では、鳥獣による農業被害が多く、困っている農家の方たちがいることから、管轄の自治体でシカやイノシシから農作物を守る勉強会を行ないました。参加者は、2名と非常に少なく残念な気持ちになりましたが、農作物を守る適切な防除の方法を今後も啓発していきたいと考えています。

【2023年4月22日 アースディイベントブース出展】

県が主催するアースディイベントに始めて参加してきました。ブースに立ち寄って話をしてくださった方は数名でしたが、内容ある話に会話が盛り上がりました。野生動物たちへの関心を少しでも多くの方に広めたいので、機会があれば今後もイベントに参加したいと思います。

【2023年5月26日 広島県廿日市市へ宮島のシカに関する要望】

「宮島のシカ問題」と言われている問題があり、その問題の平和的対応の要望を廿日市市に行なってきました。シカたちが人間の活動によって苦しむことのない対策の実現を願っています。

2023年6月13日 農林水産省・環境省と面談】

農林水産省と環境省に「野生動物との平和共存に向けた施策の要望」を行なってきました。

現在政府はジビエの推進をしていますが、それによって野生動物を「殺すことが目的となってはいけない」との各省の話でした。しかし、実際はすでにジビエ利用増進が加速しており、ジビエ消費のために野生動物を捕殺することが目的となっている地域があることに危惧します。

野生動物との共存には「緩衝地帯」と野生動物にとって良好な「山の状態」が必要との各省の認識であったため、その考えを実現してほしいとお願いをしてきました。

野生動物と人間間に生じる問題は、単一の解決策は存在せず、多方面からのアプローチを長期的思考で着々と進めていく方法しかありません。

政府には捕殺を主とした施策ではなく、自然環境とそこに棲む動物たちを鑑みた平和的対策を検討していただきたいと思います。

【2023年7月3日 県庁との面談】


猟犬による事故が毎年発生していることから、猟犬の扱いに関する要望を行いました。

また、農作物を守る適切な防除柵の設置についても話をしました。

【2023年7月10日 市にジビエ施設と防除柵についての要望を行なう】


ジビエの問題と農業被害軽減に有効な柵を市に伝えました。
農業被害に有効な柵の設置を市民に推奨してもらえるように要望を行ないました。

ジビエに関しては、ジビエを促進しないように要望しましたが、担当者は「議員がジビエを使用しろというので、ジビエを使わずにはいられない」と言っていて違和感を覚えました。

ジビエについては、今後も問題点を市に提出し、野生動物の死体の利用は環境破壊であり、予期せぬ自体を発生させることを伝えていきたいです。


【2023年8月22日 市が行なう「いのちの授業」を見学】

ハンターで野生動物解体処理施設の運営者による授業で、授業の内容は、人間に「害」を与える野生動物は捕殺して、その死体を利用しようという内容でした。

感覚的、個々の存在である動物の殺害を子どもたちに教える教育は、子どもたちへのひどいメッセージです。

また、この授業は子どもたちの思考を誘導するものであり、同調圧力も非常に強いものでした。

自然環境についてもまったく考えられていないこの授業に対して後日市に要望を行なう予定です。

【2023年8月26日 鳥獣対策(防除)のプロフェッショナル 雅ねえ(井上雅央)さんの勉強会に参加】


雅ねえさんの話は、大変勉強になりました。
雅ねえさんの言葉で印象的だったのは、野生動物たちを「悪」だと思っている時点で、農作物を守ることはできないとという言葉でした。雅ねえさんのこの考えは、わたしの考えと同じです。
野生動物を「悪」や「的」とせず、この地球で共に生きる動物として、野生動物たちを尊重する日が来ることを願っています。


【2023年9月14日アニマルライツチャンネルに参加】


アニマルライツセンターが毎月配信する、アニマルライツチャンネルに参加し、「シカを取り巻く現状と解決策」というお話をしました。

【翻訳家で執筆家の井上太一さんとZOOMで対談】

井上さんは現在、動物の権利運動とフェミニズムの活動を行なっておられ、井上さんの話は大変勉強になります。

対談する度に、気づきが多くあり、わたし自身の勉強不足を感じます。

井上さんの本や翻訳された本を読み、勉強を進めていきたいと思います。

【2023年9月29日 市が行なった「いのちの授業」に関する意見と要望を提出】


2023年8月22日に市が行なった「いのちの授業」について、命を大切にする側の「いのちの授業」を行なわせてほしいと要望しました。しかし、市は絶対にWDIには依頼しないと述べました。非常に残念です。

ハンターで野生動物の解体処理施設を運営し、死体を販売しする者による「いのちの授業」に関して、今後も抗議していきたいと考えています。

【2023年10月12日 奈良の鹿愛護会に収容されているシカたちの環境改善の要望】

奈良の鹿愛護会に収容されているオスジカの飼育環境が適切ではないと、同会の獣医師が市や県に通報しました。

「特別柵」と言われる収容所では、毎年多くのオスジカあちが死亡しており、生命維持に必要な食糧を与えられていなかった可能性があります。

そのため関係各所に飼育環境改善の要望書を提出しました。


●要望書の提出場所

奈良の鹿愛護会
奈良市保健衛生課
消費生活安全課 動物愛護係
奈良公園室
その他 

【2023年11月8日 串田誠一参議院議員との面会】

串田議員へ要望書の提出とご相談をしに参議院会館へ行きました。