WDI(ワイルドディアイニシアチブ)の活動理念


WDI(ワイルドディアイニシアチブ)は、人間の活動によって苦しみや困難を強いられている野生動物たちの「声」に耳を傾けながら、長期的な視野をもって、かれらの置かれている状況の改善を目指して活動しています。 

個々の野生動物たちは、感覚をもち、意思をもつ存在であるため、私たちは個々の動物たちの「人格」性 を重視し、その存在を軽んじない社会を目指します。

そのため、この活動は、人間の名誉や評価のためにあるのではありません。

これは、活動を行う人間のための活動ではなく、動物たちの活動である——そう考えています。

当団体は、人間側の利害や人間中心の話題(例:活動報告など)には言及せず、また、動物たちの利益と関係のない人間的ないざこざや競争には関与しません。

動物たちの利益を最優先に考える立場から、価値観を共有できる限られた仲間とだけ連携しています。 

WDIは、対立よりも「対話」を、支配よりも「尊重」を選びます。暴力や差別には明確に反対の立場をとります。 

常に野生動物たちの「声」に耳を澄まし、かれらの立場に立って、動物たちの尊厳を守るため、かれらの権利を主張しつづけます。

【この理念に込めた想い】


WDI(ワイルドディアイニシアチブ)は、

野生動物たちを「群れ」や「種」としてではなく、

感覚を持つ個々の存在=「誰か」として見つめています。


かれらは人間の都合によって傷つけられ、生息地を奪われ、ときに命を奪われています。けれど、それぞれの野生動物には、"ひとり"としての時間や感情、感覚があり、それらは人間が想像する以上に豊かです。

私はその「個々の存在」の声を少しでも多くの人々に届く声にしたいと願い、この活動を始めました。

これまでの歩みの中で、善意の中にも、人間同士の対立や誤解、競争や名声といった「人間中心の視点」が入り込み、動物たちのための活動が別の方向へ流れてしまう場面にも直面しました。

だからこそ私は、活動の目的を見失わないこと、そして「誰のために」この声をあげているのかを、常に自分に問い続けることを大切にしています。

WDIの活動は、決して派手ではなく、人の目を引くようなものではありません。

けれど、確かなことがあります。それは、活動の一歩一歩が、動物たちの尊厳に寄り添うためのものであること。

この理念には、そんな想いが込められています。