
教育指針
WDI 教育指針
WDIでは、「自然との調和」と「他者への共感」を大切な軸とし、
次の2つの柱に基づいた啓発活動を行っています。

1. 環境教育
〜人間中心主義を問う〜
人間による開発や消費活動は、地球環境に深刻な影響を及ぼし、多くの野生動物たちの生息地を奪っています。
WDI では、こうした現実を正しく伝え、「人間だけが特別ではない」という視点から、自然とともに生きる意識を育みます。
- 自然環境は、すべての生きものたちが互いに関係しあい成り立っていること
- すべての野生動物たちは自然環境の構成員であり、私たちの暮らしともつながっていること
- 生息地の保護は、人間に課せられた責任であること
これらを伝えることで、地球の自然環境を視野に入れた思考と行動ができる力を育てます。

2. 他者理解と共感の教育
〜ことなる存在を
そのまま受けとめる〜
人間以外の動物たちも、私たちと同じく「誰か」として生きています。
WDI では、「動物=もの・資源」といった見方を問い直し、「個」としての動物たちの存在に目を向けます。
- 動物たちは「単なる動物」ではなく、それぞれが意思や感覚・感情をもつ「個々の存在」であること
- 習性や個性、能力などの違いを通じて、個々の動物たちの存在とその生命を尊重する心を育むこと
- 他者を思いやり、違いを受け入れる共感力や想像力を育てること
こうした気づきは、人間社会における多様性の理解にもつながります。
活動の中心分野について
1.環境教育

WDI における環境教育は、「人間中心主義からの脱却」を大きな目的としています。
現在、地球は「第6の大量絶滅期」にあるとされ、人間の活動によって自然環境はかつてないほど広範囲に、深刻に損なわれています。その影響をもっとも強く受けているのが、自然の中で暮らす野生動物たちです。かれらは、生息地の破壊や汚染、人工物の影響によって、日々、過酷な環境を生き抜かざるを得ません。
しかし本来、すべての野生動物たちは、地球上における自然環境を構成する大切な一員であり、その存在は生態系の維持、ひいては人類の生存とも深く関わっています。
だからこそ、かれらの生息地を守ること――すなわち「自然環境の保護・回復」は、いま人間社会に課せられている重要な責任です。
WDI では、こうした視点から自然と野生動物のつながりを学び、未来を担う子どもたちが共存の視座を育み、問題に気づき、自ら考え、解決に向けて行動できる力を養っていきたいと考えています。
2.他者理解と共感の教育

私たち人類と、ほかの動物たちは、進化の過程で枝分かれした「同じルーツを持つ仲間」と言えます。つまり、人間以外の動物たちもまた、私たちと地続きの存在であり、まったく別のものではありません。
この「仲間」としての視点に立って動物たちを理解することは、人間の活動が自然環境や野生動物に与える影響を見つめ直す重要なきっかけとなります。
WDI では、動物たちについての正しい知識を伝えることで、動物は「単な動物」ではなく、「個々の動物たちが、私たちと同じように個性や感覚をもつ存在である」という気づきを育んでいきます。
それぞれの動物たちの習性や個性、持っている能力などを学ぶことを通じて、人間とは異なる種を生きる「仲間たち」への理解を深め、他者への共感を育てていく――それが、私たちの目指す教育です。
3.現場での活動

WDIでは、実際の現場においても、さまざまな活動を行っています。
たとえば、困っている動物たちの救護活動や、野生の動物たちから農作物を守るための適切な防除柵の設置、さらにはドングリなど、野生動物にとって大切な栄養源となる樹木の植樹活動などです。
こうした活動を通じて、人が自然環境とそこに棲む生きものたちへの理解と配慮の心を育み、自然環境と平和的にかかわっていける社会を目指したいと考えています。